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Twitterでの出会い

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自分の病気についてずっと、生の声が知りたかった。
既存の論文や医学書で見る生存率より、その手術を受けた人がどうやって生活してるのか。その検査はどれくらい痛いのか、術前と術後で何が変わったのか。
これまで何度かネットで検索したことはありましたが、満足いくものにはなかなか出会えませんでした。

学生時代からいくつかSNSは使っていましたが、周りの友達とつながるためだけで、病気のことは話題にしたことがありませんでした。
ある時、もしかして?と思い、まず手始めに、Twitterで「心臓手術」や「先天性心疾患」のキーワードで検索をかけてみると、沢山のアカウントが出てきました。( 『闘病垢』とか『病気垢』とかいうらしい )
ずっと病気を隠すことに神経を使ってきた私にとっては、軽いカルチャーショックでした。

日々の生活を発信してくれている。まさに私が知りたかったことで、ほとんどの人が同じように病気についての情報や同病の人とのつながりを求めていた。

すぐに私も、持病のことを明かすためのアカウントを作ってみました。

病院で聞いたこと、本やネットで知ったこと、今の自分の状態やこれから受ける治療のこと。
思いつく限り少しずつ吐き出していきました。

これまでは、医師や親から、「あなたの病気はこういうものだよ」と情報を与えられるか、「これはやっちゃダメ」「これをしないといけません」と指導を受けるか
友達や学校の先生に持病について自分が説明する一方的なものだけだった。
それが、Twitterの中では「わかる」とか「私もです」とか、共感の言葉がもらえたり、「自分はこうしてる」とか「私の場合はこうだった」とか、経験の共有も出来た。

本当に嬉しかった。

それは、大袈裟かもしれないけれど、まるで初めて言葉の通じる生き物と出会ったみたいな感覚
生まれた場所も違うし、厳密には病気の種類も違う。それでも同じような経験をしたことがあるというだけですぐに仲良しさんが沢山出来ました。
嬉しかったし、びっくりしたし、ツイートしながら、読みながら、何度も泣いた。
私はずっと「わかるよ」って言ってもらいたかったんだ。
分かってもらえるって、こんなに嬉しいんだなって思った。

今だから分かるけど、私は浅ましいくらい共感に飢えていました。

PTSDかもしれないと言われ自分の状態が飲み込めなかったときにも
Twitterで出会った人たちと話すうちに、先天性疾患と精神疾患の関係についても知ることになります。これはまた別の機会に書きますけど。
通院や治療を耐えられたのは、吐き出せる場所があったこと、そしてそれに反応してくれる人が居たことが非常に大きいです。


そしてTwitterを使い続けるうちに、当事者の方だけでなく、病児の保護者の方にも出会います。
これがまた、私の人生を大きく変えました。

心疾患があっても成人して社会に出てる方がいると分かるだけで励みになります
娘が(息子が)受けた検査はそんな感じなんですね。本人から聞けないので(まだ喋れないくらい小さいから)当事者の話は参考になります
なんて声をかけていただけたりして。

嬉しかった。

そしていまの自分が、この先の誰かの予後の一例なんだって思うようになりました。
私がずっと知りたかったことを、誰かに伝えてあげることが出来たら、どうしようもなかったあの頃の自分も救われるのではないか、と。

自分の母親も、こんな気持ちで私のことを育ててくれたんだとしたら
あの頃の母のことだって救ってあげたい。烏滸がましいことだけど。


私は子供を産んだことがないから、母親の気持ちは分からないけど、うまく説明するだけの言葉を知らなかった頃の気持ちはずっと覚えてる。
だからもし、私に出来ることがあるなら。少しでも希望が持てるなら、不安が軽くなるなら、私の経験してきたことだってこの先体験することだってなんだって話すから。
何でも聞いてください。

これは余談だけど
なんとか手術を乗り越えて自由に動けるようになったら、私は全国にいる仲良しフォロワーさんに会いに行くと約束している。それまで私は死ねないので、みんなも毎日大変だけど、生きててね。
明日もあなたが何かをつぶやくことを、遠くから待っているので。

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