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☆暑さに弱いのは心臓病だからなのかという話

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※私は心疾患があるだけで、医学的に専門知識があるわけではありません。
 心疾患にも様々な症状があり、同じ病名でも全く同じ症状であるとは限りません。
 あくまでも「この人はそうなんだな」という気持ちで読んでください。
 ご自身の体については、かかりつけのお医者さんにご相談ください。



私は昔から、とてつもなく暑さに弱い。すぐバテます。
そして、汗かき
色白で日焼けを嫌い、野外活動にもほとんど参加せず、日頃からそんなに走るとか身体を大きく動かすことのない人間だと思われているので、プライベートで私を知る人のほとんどは、汗かきだと言っても始めはあまり信じてくれません。が、学生時代はエアコンのついていない体育館や運動場で、運動もしていないのによくひとりだけ水ぶっかけられたぐらい汗だくになって驚かれていたので、なかなかにコンプレックスでした。

小さい頃からそうなので、母からは「心臓のせいで体の温度調節が苦手」なのが原因だと聞かされていました。
先天性心疾患にも様々な症状がありますが、私の心内膜症欠損症(房室中隔欠損症)汗をかきやすいという症状もあります。(とはいえ赤ちゃんの時に見られる症状なので、これが大人になっても消えないのかどうなのかは医師に要確認)


暑さが苦手」というのも、「疲れやすい」と同じくらい第三者に伝えにくいことです。伝えにくい、とは違うかな。理解してもらいにくい
だって、暑いのなんてみんな嫌だし、じめじめする日はだるいし、健康優良児でも汗かきさんはいるから。

「心臓が弱くて温度調節が上手くできないから暑い日や寒い日が普通の人より苦手」と周りには伝えているものの、気にしすぎてしまう性格から「何でも心臓を言い訳にしてる」みたいに聞こえるだろうかという気持ちはぬぐい切れず…。

ということで、改めて「温度調節が苦手」ってどういうことなのか調べてみました。

まず心臓云々ではなく、夏の暑さが体に与える影響として
・汗をかくことで体内からナトリウムが減少し、疲労を感じる
・  〃  水分不足になる(脱水を引き起こす・血液がドロドロになる)
・食欲が落ちる
このくらいが、特に調べなくなくても思いつくことでした。

これらをもっと心臓と近づけて調べてみると

「脱水」とは体内の水が少なくなることを意味しますが、体のどこで水分が失われるかが重要です。一般的に脱水は「血管の中」の脱水(=血管内脱水)と、「血管の外」の脱水(=細胞内脱水)に大別されます。英語でもこれらを区別して単語が存在しており、脱水と一言で言っても、血管内脱水を「volume depletion(ボリューム・デプリション)」、細胞内脱水を「dehydration(デハイドレーション)」と呼びます。
暑さで血管内脱水が進むと、血管内に血栓が出来やすくなり、狭心症や心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気の原因となります。さらに、細胞内脱水が起こると、不整脈が誘発されやすくなり、脳梗塞など生命を脅かす影響や重大な後遺症を残すことさえあります。(*1)
* 1.World J Nephrol 2019: 21; 23–32

https://serai.jp/health/369274

そもそも平常時でも不整脈があるから血栓が出来やすいというのに。

心不全など心臓にすでに病気を抱える方は、さらに脱水の影響を受けやすくなります。心不全の治療には、血圧を下げる薬や尿を出しやすくする薬、ナトリウムを体外に排泄する薬が用いられます。このような薬を内服している場合、少しでも汗をかくと塩分不足・脱水になり、心不全が悪化しやすくなります。
また、これからの季節、気温が高くなると皮膚表面からの熱の放出が難しくなり、熱中症になりやすくなります。さらに、湿度が高いと汗はたくさん出ますが、汗の蒸発量が少なくなり体温を下げることができなくなります。このような環境下では、多量の発汗が持続的に起こり、心臓のポンプ機能に余裕のない方は容易に体液不足に陥ってしまい、熱中症になりやすくなってしまうのです。(*2)
*2.Curr Heart Fail Rep 2014: 11; 139-45

https://serai.jp/health/369274

暑いと汗をかいて、その汗が肌の上で蒸発し、体を冷やします。しかし、湿度が高いと水分が蒸発しにくくなって、体が冷えないから体内はずっと汗を出し続けてしまって脱水を起こしてしまうということですね。

ひょえー。確かにむしむしする日はずっと汗ばんでる。
血圧を下げる薬や尿を出しやすくする薬、飲んでます。
ポンプ機能も弱め。

つまり気温が上がってだるくなるのは健康な人も同じだけど、心臓に疾患のある人の方がより脱水を起こしやすくて、熱中症になりやすいから気をつけなはれということね。ふむふむ。

のどが渇いていないから、汗をかいていないから大丈夫と思いがちですが、すでに体液が減少している場合も。いつもより尿の色が濃く、量が少ない場合はすでに体内の水分不足が起こっています。のどが渇く前からのこまめな水分、塩分補給が脱水症、熱中症予防には大切です。熱中症の発生は、当日の水分、塩分不足だけではなく、数日前からの不足が原因で発生します。常日頃から水分と塩分の補給を心がけましょう。

https://kenko.sawai.co.jp/healthcare/201408.html


だけど、熱中症予防の基礎・基本であるこの「のどが渇く前からのこまめな水分、塩分補給 」というのが、心臓のために水分と塩分の摂取制限をする必要がある人間には難しいのです。(なぜ制限が必要かっていうのは長くなるからまた別の記事で書きますね)
何も考えずに暑いから冷たい水をガブガブ、喉が渇いたからスポーツドリンクをゴクゴク飲みたいけど、それでは今度は水分や塩分の過剰摂取で心不全になってしまいます。(急激に血液の濃度が変わることは健康な人でも気分が悪くなるので、汗をかいた後冷たいものをがぶ飲みするのは基本的にあまりよくないよ)
必要以上に汗をかかなくていいように、暑い日の不要不急の外出は避けるとか 、通気性の良い服を選ぶとか、我慢せずエアコンを活用するとか、いわゆる「暑さ対策」をしっかりとする。しか気を付けようがないのかな。

もちろん汗をかいて失ってしまった分の塩分(カリウムやナトリウムなどまとめて塩分とします)は、他の季節に比べたら多めに摂取しても良いのでしょうが、これは塩梅が非常に難しいので、当事者とは言え自分ではなかなか判断できません。心臓の状態や、合併症の有無、その他の弱い臓器のことも含めて考えて各自がお医者さんと体と相談して調節するしかないことです。

つまり、細かな説明を省いてぎゅっとすると「心臓が弱くて体が普通の人より暑さの影響を受けやすいので、夏はしんどいことが多い。」ということになりますね。

全然言い訳じゃなかった。


納得しました。これからはうまく説明できそうです。


Twitterで質問を投げてみたところ、同じように夏が苦手だという心疾患を持っている方が何人か、理由も含めてコメントをくださいました。ありがとうございました。
成人後開胸術をして初めての夏なので、これまでとは違うことも出てくると思います。些細な変化にも気付けるように、注意してこれからの季節を過ごしたいと思っています。
皆さんも、熱中症に気を付けて、夏を乗り切りましょうね。

おしまい。


ここから先は完全な余談。感染症の流行が収束したらの話です。

夏、基本的に日中は外に出ず、可能な限り太陽が沈んでから行動する(仕事も夜勤だし)私でさえ、ここなら楽しく過ごせるよという場所があります。

それは、美術館です。
来館者ではなく、美術品の保存に最適な温度と湿度に保たれている(20~22℃くらいで、湿度が45~55%くらいのところが多い)ので、寒がりさんは少し肌寒く感じるかもしれませんが、非常に快適。長時間滞在するなら薄い上着なんか持っていればいいかもしれません。
照明も展示物の保護のために照度があまり高くないので、視覚的にも涼しく感じる気がします。
天井が高く開放感があり、みんなゆっくり歩いているのでゆっくりしか歩けないことがばれないし、ところどころ座れるスペースもあって、入り口と出口以外に、中にも結構お手洗いがあるので本当に良い。

そもそも障害者手帳の提示で割引等のサービスが受けられる施設は、床も平らだし、温度管理やトイレの多さなど、快適さが顕著ですね。とってもありがたい。

また安心して電車に乗って美術館に出掛けられるよう日が来ることを願って。


改めて、おしまい。

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