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☆不整脈とカテーテルアブレーションの話

心臓の話
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昨年の5月、不整脈の治療としてカテーテルアブレーションを受けました。
改めてどんなものだったのかを詳しく。

    ↓ ↓

まず不整脈の始まりから。(無自覚なものは中学生くらいから起きてた)
20代の前半頃、何も運動してないのに心臓がドキドキする感じに気付くようになりました。
でも放っておいたら治るし、痛みも苦しさもなく、もともと普通の心臓ではないからこんなこともあるかなと思って、特に気に留めていませんでした。
20代の半ば頃、ストレスで過呼吸が頻発した時期があって、その頃また例のドキドキが頻繁に起きるようになります。いつものようにそのうち治まるだろうと思って仕事に行って、何となく働いて帰る頃には、治まるどころかドキドキはバクバクへと強まってしまっていました。
私は地元を離れて首都で働いていて、PTSDが酷くなってきた時期でこっちにかかりつけの病院は無く、でも意識がしっかりしているうちに自力で何とかせねばと思い、とりあえず電車から降りて、携帯で(まだスマホじゃなかった)最寄りの病院を探すことにしました。

検索している最中にもバクバクは酷くなり、そのとき目に入った、救急車を呼ぶ前に#7119〙というページへすがる思いで電話を掛けました。(ダイヤルしなくてもワンプッシュで繋がるので焦っているときにはとても助かった)
初めての土地で病院を知らないし外来が開くまで待つのは不安であること、歩けるし痛みも無いのでタクシーで行こうと思うという旨を伝えると、すごく優しく現在地から最寄りの救急外来が開いてる病院をいくつか教えてくれ、ついでにこういう症状は初めてですか?とか質問されてる間に「先天性の心疾患があるので…」と話したら
「そういう場合は迷わなくていいから!救急車呼んでください!」と突然相手の声音に深刻さが増し、私はびっくりされたことにびっくりしながら救急車を呼び、大学病院に搬送してもらいました。
そこで応急処置として点滴をしてもらって発作を鎮め、地元に帰って手術をした病院からカルテを取り寄せるなどして改めて詳しく調べてもらい、持病が原因として発生した『心房細動』である。と診断されます。

私の場合は持病が原因と言われましたが、心臓の加齢現象のひとつとして考えられているそうです。(普通の心臓でもなるよ!無自覚な人も多くて日本では70万人以上がもってるらしい)
「今回のような発作が起きたらまた病院に来てもらって、薬や点滴で鎮めましょう。現状として起こらないために何かをすることはありません」と言われ、それからしばらくは、何もなく平凡に暮らしました。

そして4年後、また同じような症状で早朝の救急外来へ。今度は勝手がわかっていたのでタクシーを使って。
その後心不全を起こし、これをきっかけに今の担当医に出会うわけですが、「今回は4年ぶりだったけど、そのうちこの間隔が数カ月に1度から、数週間に1度になっていくだろう」と言われます。 一般的に、突発性心房細動は、数年をかけて慢性心房細動へと移行すると言われており、まさにそのケースの通りでした。



(その頃の私は)近い将来、弁置換で開胸手術をすることになるので、その時に一緒に不整脈の治療もしましょうという話で進めてもらっていたのですが、数週間後に突然担当医から「開胸手術の前にカテーテルで不整脈の処置だけ先にしましょう」という提案がされます。不整脈をつぶしておいた方が、開胸手術のリスクが下がるから。
一応提案という形をとっていましたが、もうカテ日も入院日程も決まっており、私に与えられた返答は「はい」だけでした。

カテーテルアブレーションという、開胸はしませんが手術です。」
不整脈の治療法として、その名前を本で読んだことはありました。
レーザーで心臓の細胞を焼き固めるなんて、こわいな痛そうだなと思ってた、アレ。
まさか自分が対象になるなんて…。まるで心臓病の人みたい。
(頭がついてこないと急に他人事みたいな感覚になる)

『えー。すごい嫌です。やりますけど。』
という返事をしたことだけはなぜか今でもしっかり覚えています。
もっとなんか『よろしくお願いします』とか、ちゃんとしたこと言えばよかった。



心臓は電気信号によって規則正しく動いているのですが、様々な原因によりその信号の回路が異常に発生してしまい、電気信号が旋回して心臓が痙攣しているような状態になるのが、頻拍性の不整脈です。
不整脈は発生場所によっていくつかの種類に分けられますが、私の場合は、先天性で心臓そのものの形が少し違う事(正常な信号を出す組織(洞結節)の位置も違うらしい)と、幼少期の手術でメスを入れたところに不要な電気の通路が出来てしまっていることが原因で、心房細動心房頻拍が起こっていました


心房細動心房粗動そのものが直接命に関わることはありませんが、心臓が細かく不規則に動くことで心房内で血液が淀みやすくなり、血栓が出来る可能性が高まります。血栓が心臓から送り出されて血管を詰まらせてしまうことで、別の病気を引き起こすことがあります。
加えて必要以上に心臓が収縮していることでポンプ機能が疲労してしまい、心不全を起こす原因にもなります。
⇒要するに、良い状態ではない。

https://fusei39.com/patient/af.shtml

私が受けたのは、先端に電極がついているカテーテルを使った高周波アブレーションで、不整脈の原因になっている心臓組織を高周波電流で焼くというものです。

局所麻酔で鼠径部の静脈(右足の付け根)からカテーテルを入れました。
うとうとしながらも意識はありますが、私はあんまり入ってくる感覚は分かりませんでした。ただ、わざと不整脈を誘発させて原因部分を探す(マッピング)ので、胸が内側から暖かくなって不自然にドクドクと動く感覚はものすごく不快です。
箇所が複雑になるほど手術時間は長くなってしまいますが、一般的には2~3時間くらいで終わると聞きました。ちなみに私は4時間ほどでした。2か所焼いたからかな。


私は医療行為へのPTSDがあり(詳細は過去の記事にあるので省きます)事前に「出来れば(どなたか)処置中に手を握ってもらえませんか」とお願いしていました。手を握ってもらっている感覚に頼ればパニックの発作を抑えられるんです。
なので開始前に看護師さんが「私が握ってますからね」とストレッチャーで運ばれてきた私の手を握り、声をかけてくれました。

なんてありがたいんだ。と安心した矢先。

「それでは始めます」

「作業がありますのでちょっと手を離しますね」

ええええーーーーーーーーー!!!!!!!

意味ないやん!!
始まってから!今からが最も手を握ってほしい時間ですよー!!!

と叫ぶわけにもいかず、私大パニック。我慢はしたけど、処置が進むにつれ案の定過呼吸。淡々と酸素マスクが付けられましたが、そんなことより(酸素も大事だけど)手!お願いしたじゃないか!手は!?
「すみませんがまた手を握ってもらえませんか?」って言いたいのに、こんな時に麻酔が効いてきて(たぶん鎮静剤追加された)うまく話せなくて、過呼吸が合わさってなんだか呻き続ける奴みたいになっていて

後日「もう一歩で拘束するとこだった」と担当医に言われました。

手離されたぞ。約束と違うやんけ。という旨を丁寧に説明したので、それ以降私の処置には手を握る係の看護師さんがひとり追加されるようになりました。
無理言って本当にすみません。
非常にありがたいです。おかげであれっきり過呼吸を起こさなくなりました。



これが昨年の5月の話。そして現在に戻りまして、術後また心房細動が出るようになってしまったのですが…。
手術の影響での一過性のものなのか、アブレーションで取り切れなかった異常部位が残っていたのか、はたまた新たに異常信号が生まれてしまったのか、詳しく調べてもらっているところです。


おしまい。
(になりますようにと願いを込めて。)

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