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それは本当に励ましているの?

世間話
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生きていると、何度も何度も何度も何度もよく似た内容の台詞を言われることがあります。これはおそらく私が先天性の疾患を持っているからなんだと思います。
一見聞こえのいい台詞だけれども、それでは全然励まされてないよっていう。
これまで胸の中で握りつぶしていたものを、引っ張り出してきてみました。 今日の記事はそういう積もりに積もった鬱憤を書き連ねています。


端的に言うと、愚痴です。


まず代表的なのが「貴方は自分でその身体を選んで生まれてきたんだよ」という言葉。

この言葉によって、ああそうだったのかと納得して前向きになれるなら、それで何よりだと思う。本当にそうなのかもしれないし。そこを否定したい気持ちはありません。
自分で『自分がなりたかったから病気を持って生まれました』と言う人が居たなら単純に尊敬する。仲良くなりたい。

ただ、第三者にこれを言われることが、何とも言えない違和感なんです。
というかはっきり言うと、カチンとくる。

「自分でこの身体を選択したんだ」としたら、自分でそう思いたい。自分のタイミングで。

もし本当に私が自分で選んだんだとしても、生まれる前のことなんて申し訳ないけど全く覚えてない。二日酔いの日みたいな気分。昨夜どこからタクシー乗ったんだっけ?みたいな。違うか。

(覚えてなくても)自分で選んで生まれてきたんだから、受け入れて前向きに生きなさい。ってことでしょ。
そんなのこちらからしたら、じゃああなたはなんで選ばなかったの?って話ですよ。

責任感の強い人間であれば尚更「あなたが自分で選んだ」と言われてしまうと、そこに押さえつけられてしまう気がする。


自分で選んだんだから。不平不満言うのはおかしい。

自己責任ということです。




自分の体だから、納得して、理解して、受け入れていくしかない
それはごもっともで、言われなくてもそうしたいけど、でもそういうのは何度も言うけどこちらのタイミングでやらせていただきたい。
前向きの押し売りっていうか、無理やり首根っこ掴まれて「こっちが前だぞ!!」と向きを変えられている感じ。痛いから放してほしい。



「神様は乗り越えられない試練は与えない」という言葉もよく聞きますね。

これ、いい言葉だと思うんです。
状況によって、または前後の文章によっては、すごく納得させられたり、勇気づけられたりすることがある言葉だと思うから。
個人的にはこの言葉自体は嫌いじゃないです。

だけど身体のことについて、この言葉を使って励まされると途端にモヤついてしまう。

私はものすごく屁理屈を言いたくなってしまう質なので、例えば私にとってその試練が「心臓病」なのだとして、私は神様に「こいつは乗り越えられる」と認められてこの身体で生まれたんだとしたら、健常である人はみんな神様に「こいつは乗り越えられない」と思われたから健康な身体で生まれたってことになりますよね。

そうなっちゃうともう
我は神よりこの身体を与えられし者である。
という気分です。
対等な口を聞くな無礼者。とでも言ってしまいそう。



母親に対して言う
「あなただからこの子が産まれてきたんだよ」というのも同じ。
それが本当なら、娘の立場から言わせていただくけど、例えば私があなたに「健常児以外は育て上げることが不可能な者」という「我が母よりも劣っている者」という気持ちを抱いてしまいますよ。ここでの例えに、優れているとか劣っているとかそんな表現を使うのはナンセンスかもしれませんけど。

これも、あなたは選ばれたんだから。文句言わずに頑張りなさい。という圧に思えてしまう。




何がそんなに私の心をモヤつかせるのかと考えたときに
これまでの苦しかったり悲しかったりした時間や、社会に出るための葛藤や工夫、そういう『頑張ってきたもの』があるから、いまこうして(例えば外面だけでも)明るく朗らかそうにふるまえているわけで
それらは決して誰かに見せつけたい努力ではなかったけど、でもそれらをまるで無かったことみたいに「あなたが選んだから」「あなただから選ばれた」の一言で包まれてしまうことが悔しくて仕方なくて
モヤついていたんだと思います。


これらの言葉を悪意なく発していた人がいたら、せっかく気を使って言葉をかけたのにって頭にきちゃうかもしれない。それはごめんなさい。


相手から『先天性の疾患を持ってる』なんて聞いても、馴染みのない人には何て言ったらいいか分からないと思うんですよ。
「何でもいいから今すぐとにかく励まして!」などと言われたのであれば話は別だけど
何て言ったらいいか分からないときは、何も言わなくていいと思います。ほんとに。


相手を嫌な気持ちにさせたくない場合は、ただシンプルに「教えてくれてありがとう」って言うだけで良いです。
「初めて聞く病名だからわからない」って言っても良いし、もしどうにか励ましたい・何か力になりたいと思ってくれるなら「よくわからないから、どうしたらいいのか(周りはどんなサポートができるのか)教えて」って言ってくれたらすごく嬉しい。そこから先の説明はこちらが努力します。

病気の話は聞きたくない・これ以上関わりたくないと思ったなら、そっと話題を変えるなり距離を取るなり、したらいいと思います。人にはそれぞれの事情があるものだから、そうすることであなたが冷たい人間だとか酷い人間だなんて思わないはずだから。


「この言葉をそんな風に受け取ってしまうなんておかしいよ!」って思うなら、そう伝えてください。それで喧嘩になってしまうなら、喧嘩しましょう。喧嘩する時間や体力を割いて良いと思えるくらいの相手なら。
だけどそのくらいの気持ちが無いなら、やっぱりそっと離れましょう。
ソーシャルディスタンス。


相手に悪意が無いのにこんなことで腹を立ててしまうのはおかしいのかなって、こちらの器の小ささで相手の優しさを受け止められないのかなって、自己嫌悪になることもあります。

「そう感じてるのあなただけじゃないよ!」って言うことしかできないけど、たぶんね、あなたはおかしくないと思うんですよ。

同じようなことでモヤっとしてる人、少なくないんじゃないかなと思ってこんなブログを書きました。読んでくれてどうもありがとう。



今日はここまで。

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