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治療がこわくなってしまった話(前編)

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物心がつく前から入退院、手術や通院をくり返していた私にとって、病院はいつもの場所でした。
小児科も、心臓血管外科も、すっっっごい待ち時間があるんですが
我が家は共働きで、普段は母方の祖母に面倒を見てもらっていたから、病院に行く日だけはお母さんと朝からずっと一緒に居られて嬉しかった。
なんだか意味の分からない検査も、泣かずに出来たら褒めてもらえたし
注射は痛いけど、終わったらお母さんが「がんばったね」ってさすってくれた。
それらに何の意味があるのか分からなかったけど、私にとってはそれが日常でした。

だから時々幼稚園や小学校であった予防接種なんて余裕。
いつも病院でしてる注射より針が細いし。
泣いちゃう子もいたけど、そうだよね。みんな慣れてないから。私はいつもやってる。こんなことではびっくりしないし泣かないよ。みたいな気分で得意になっていた。
とにかく平気だったし、平気なふりをしていれば褒められることを知っていた小賢しい子供でした。

身体の成長とともに通院も減り、自分自身でもあまり病気であることを意識しなくなっていったけど、やっぱり体力は人並み以下で、年に1度くらい倒れては緊急で病院に連れていかれて点滴をしてもらっていました。
何日も寝込まなくても、点滴なら数時間ですっかり元気になる。すげえ。と思ってたのに
いつだったか、点滴中に怖くてしくしく泣いた。
点滴の管に触られるのも怖くて、泣きながら、誰も近づくなとずっと気が立っていて、そのまま眠ってしまった。後から思えばあれはほぼ気絶だったと思います。
その時は、刺した看護師さんが上手くなくて痛かったのかな程度で、自分も周りも気にしてなかったけど、そこから注射がこわくなりました。

小さい時だって怖かったけど、なんというか、こわさの質が違う
病院の先生も普通の嫌がり方ではないと気付いてくれて、緊急事態でない限り注射や採血などの処置は避けてもらうようになりました。
何日か寝込んでいれば治るのであれば、おとなしく寝込ませていただきます。学校も休めるし。

「小さいころ大変な治療を沢山経験したからでしょうね。」
当時は理解できなかったことが分かるようになったり、辛すぎて頭で処理できなかったことが、成長してから表に出てくることがあるんだそうです。
「そのうちまた大丈夫になると思いますから。心配しなくていいよ。」
その時の先生はそう言ってくれたけど、私は残念ながら大丈夫になることはありませんでした

先生が言ってたみたいに、そのまま大丈夫になる子もいるんだと思うから、一旦ここで。
後編に続く。

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えふブログ〖先天性心疾患者のとりとめのない生活〗

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