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心疾患と性の悩み

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性のことって誰が教えてくれるんだろう?という疑問をずっと抱えておりました。

所謂、性教育は保健体育の時間に受けました。どうすれば妊娠するのか、という生物学的な感じで。
避妊の方法とか重要性も一応一通り学んではいます。


問題は、やり方ですよね。みんなどうやって身に着けていくんだろう?
性の話って何となくしづらいから、疾患の有無に関わらず、個人個人でいろんな悩みがあると思うんです。そもそも初めてって誰でも不安だったり探り探りだったりしたかもしれないんですが、ここでは心疾患(先天性)のことだけに絞ってお話しますね。
どんなことが不安だったのか。そしてどのように対策しているか。

毎回のことですが、これは私の個人的な経験をお話しするブログです。先天性心疾患は病名が様々にあり、同じ病名でも重症度が個人によって異なります。そして個人の性格の違いもありますので、みんながこうなんだとは思わず、「こんな人も居るんだな」くらいの参考程度に読んでください。



私は小さいころから「激しい運動は禁止」と言われてきました。
小学生まで、体育の授業(幼稚園だと外で遊ぶ時間)は全て見学、通学は親に車で送迎してもらっていました。激しい運動というのは、ざっくり言うと息が上がるようなことです。走ることも、長距離自転車に乗ることも、極力避けるようにしていました。
中学生ごろから成長と共に心機能が安定して、高校は自転車通学、体育もほとんど出席できるようになっていました。それでも、マラソンや運動系の部活が禁止であることは変わらず、どうしても周りの子よりすぐに息が切れました。


そのくらいの年齢になってくると、彼氏が出来ただの、〇〇は初体験を済ませたらしいだの、きゃあきゃあ言い始めて知識もついていくんですけど、どうにも解消できなかった謎は
そもそも私ってエッチできるんですか…?って話。

早熟な友人(笑)に相談してみても、彼女には私の心肺機能がどの程度かなんて分からないし、私も上手に伝えられないし。でもどうやらスポーツ並みに息は上がるから疲れるらしい。スポーツっていっぱい種類あるしなぁ。でも息上がるならあんまり心臓に良いことではなさそうだなぁ。

そしてなんやかんやありまして、そういうコンテンツ(はっきり言ったらAVです)を見たときの、衝撃。
やり方がどうこうってことより、運動量。これは完全な「激しい運動」じゃないか。



__無理かもな。


高校生くらいだったと思います。定期健診で、当時の先生から「途中で息を切らさずに、階段を3階まで上ることはできますか?」と聞かれました。
『はい、まぁ、ゆっくりなら。』
「妊娠や出産はね、階段を3階まで上がることより心臓への負担が大きいんですよ」
『…はい。』

そうでしょうね。だから何なんだよ。
だから、将来子どもは産めません。なのか
だから、妊娠を考える年齢になる前に再手術が必要です。だとか
だから、妊娠しても帝王切開しか選択できません。だとか
何か具体的なこと言えよ。と思ったけど、その時はまだ妊娠や出産は自分でも具体的に考えたことなかったし、子どもの時から致命的に説明が下手なその先生の診察室から早く出たくて、詳しく質問しませんでした。

そのあと追加で、先天性の心臓は大人になってからも小児科で診ていくことになること。妊娠した場合も産婦人科と小児科を併用して通ってもらう必要があることなんかを非常に分かり辛く説明されて、その日の診察を終えました。


妊娠した場合の話をするってことは、妊娠自体を禁止されたわけではないのか。では、妊娠の可能性がある行為も出来るってことか。と解釈しましたが、性行為の心臓への負担について、その先生には絶対に聞きたくない。質問したとしても、きっととんでもなくまどろっこしい説明をされるに違いない。 と思って、それっきりでした。
(私が妊娠を禁止されたのは20代半ばの、もう少し心機能が落ちてからなので、この解釈で当時は正解)

これって、私がその先生のことが苦手だったという理由だけでなく
男性の医師に女の子からは質問し辛いし、先生側も説明しにくいことだと思います。
大人になってから分かりましたが、この時先生が言っていた「階段で3階まで上がれますか?」は一般的に性行為と同程度の運動負荷とされているようで、早足で3階まで階段で上るときに極度の息切れや動悸がする場合は、性行為にもリスクがあるのだとか。
(あの時の先生の質問に「はい」と答えていても「いいえ」と答えていても、だから何なんだ。という説明しか返ってこなかったと思うけど)

一応こういうことみたいです⇓


性行為は、軽度の運動と、興奮、血管拡張、多呼吸などを伴います。しかしながら、重症とされる疾患でも、正常な性行為であれば、それ自体は、心臓の状態の悪化、急変などを起こしません。性行為中に急変した、或いはその後心臓の状態が悪化したという事実も殆どありません。

http://www.jsachd.org/faq/2012/04/post-136.html

へー。なるほど。


それから不安はもうひとつ。
身体にある大きなを見たら、相手はどう思うんだろう。
当時は自分の傷に対してネガティブな感情しか持っていなかったので、自分にとって好きではないものを、好きな人に見られたくありませんでした。


結局大勢の人がそうであるように、専門家の指示を仰ぐことなくその時を迎えてしまって、なんとなく何とかなったので今に至っているのですが。(ぼやかした)


対策、というと言葉が違う気がする。私がどのようにその問題と付き合ってきたかというと、まず初めては、とにかく実験みたいな気持ちでした。勢いとか雰囲気とかで踏み込むのは危険だと思ったから、沢山話し合いました。やったことないから果たしてどれくらいの疲労感なのか、そのあと心臓に何か影響するのか全く分からなかったので、相手がめちゃくちゃ気遣ってくれたと思います。ていうかぽろっと「ほんまに頑張ったんは俺やからな。」と言っていた。
うん。その節は本当にありがとう。あと勝手にブログに書いてすまないね。

相手が運動部というところが良かった。いや、これはね、文化部でも帰宅部でも何でもいいんですけど(笑)自分で自分の身体のことを理解しているかどうか、ということなんです。それが私にとっての大きな安心材料でした。
自分の体のここを鍛えるためにこんな筋トレをしているとか、効率よく心拍数を上げるためにこういう運動をするとか、そういうことを理解している人だったので(そしてとても気の利く人だったという点も合わさって)、この動作は心臓に負荷がかかるから辛いんじゃないかと彼なりに想像して配慮してくれたので、苦しい思いをせずに済みました。


そしてだんだんと経験値が増えると、自分の体との付き合い方も分かってきます。 初めて触れる相手にそれ(心臓にとって何が負担か)を伝えることも出来るようになるし。危険性を感じることは減っていきます。
とは言いつつ、大人になってからも、そういう悩みは尽きません。体力の無さも年々響いてくる。
好き嫌いとか、したいしたくないとか、それ以前の話なんだ。体力が無いんだ。
明日の仕事のこととか、不整脈の心配とか、万が一の場合ここに救急車を呼べるかとか、その場合全裸で搬送されることになるのかとか、とにかく色々考えなければいけない。ムードもへったくれもないかもしれないけどこっちは真剣なんだから。
「本当は自分のことが好きじゃないから、やりたくないんじゃないか」と悩ませてしまった経験もあります。
体力なんてそれこそ可視化できないし、可視化できる状態になったら(発作が出るとか、疲労で心不全起こすとか)手遅れなわけで。でも自分の身体ばかり気遣ってしまったら相手を思いやる気持ちが足りてないことにも気付けなくなってしまうし。とっても繊細な悩みです。



もしもこれから初体験を控え、同じような不安を抱えている人がいるとしたら
AVは、エンターテイメントというかフィクションというか、やっぱり見せるものとしての行為なので、現実の世界での参考にすべきではないと思います。そのものを否定したいのではなくてね。その業界のお友達もいるし、そのものを否定したいのではなくて、それが教科書ではないです。(最近は教科書にすべきだと思うようなコンテンツもあるらしいけど)
嫌がっている女性も最終的に喜んじゃうとか、あんなのはファンタジーだよ。 それから、友達の体験談も、そこそこの参考で留めましょう。私たちは体の形態が少し違うから。もともと持ってるHPが違う。みんなと同じような形を求める必要はないと思います。 体に負担の無い、自分たちの方法を、パートナーと2人で探してください。
そして、医師から許可されない限り、必ず避妊はしてください。飲んでる薬の種類とか、昔受けた手術の内容で、妊娠が心臓に与える負担は人によって違うから。「ゴムしなかったからって別に必ず妊娠するわけじゃないし」なんていう考えの奴は、好きって言ってたからって別にあなたのことを大切に考えてくれてるわけじゃない。
自分のことを守れるのは自分しかいないから。



傷に対しては、そもそもお付き合いしてくれてる時点で悪く言うような人はいないんですが、リアクションには個性出ます。なかなか全体像を医者以外に見せることはないので、未だに慣れません。(あんまり見せたいものではない)
逆に恋人の手術の傷を初めて見たとき、男性ってどんなこと感じるんだろう。こっそり教えてくれませんか。



いい塩梅をね、これからも探り探り…。
何か皆さんの役に立つことが知られたら、またお伝えしたいなと思うのですが、何度も言うけど、みんなどうしてきたのか、本当は私が教えて欲しいくらいだよ。


今日は、ここまで。

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