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手術前の検査、何するの?

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心臓の手術の前って、いっぱい検査するんですよ。
だいたいどんなことをするのかっていう話です。※順番は人によって違うと思います。
検査の手順や意味がもっと正確に知りたければ、検索エンジンで調べてください。

◎心電図
◎採血
◎レントゲン(全身)

 この3点セットは、普段の検診でもやってたことなんですが、いつもは胸部しか撮らないレントゲンを、術前検診では全身撮られます。寝たり立ったりで何枚も。
骨も臓器も自分で見えないものだから、自覚症状のない悪いものが見付かったらどうしようっていつもちょっとドキドキする。(見付けるために撮るんだけど)

◎呼吸機能検査(肺機能検査だったかも)
 肺活量なんかを調べます。これが正常値じゃないと、手術の際の何かが耐えられないらしい。(すごいあやふや)
 太いホースみたいなものをくわえて、看護師さんの指示通りに全力で息を吸ったり吐いたりします。ほんとの全力。もうこれ以上吐けませんって思っても容赦なく看護師さんが「吐いて!もっともっともっと!」とまくし立ててきます。まさに運動部の追い込みかのよう。もう内臓出るかもと思うくらい吐いたから「はい吸って!」って言われた途端にホース離して普通に息吸っちゃって「離したら測定できません」ってやり直すイージーミスかましたので、みなさんは絶対にホースを口から離さないように気を付けてください。

◎造影剤CT(全身)
 これまあまあ過酷。
ドラマとかで見たことあるんじゃないでしょうか。ベッドが動いてトンネルみたいなところをくぐるやつです。
造影剤という薬を点滴で入れながらCTを撮ります。これを入れると、より診断する臓器がはっきりと撮れるんだそうです。不思議ですね。造影剤が身体に入ってくる(点滴なので血管からジワリと入ってきた感じが分かります)と、身体の内部からもわぁっと熱くなってきます。
「体がぽかぽかするってこと?いいじゃん」と思われるかもしれませんが、あなどるなかれ。とてつもなく不愉快。これは例えようがありません。とにかく一回経験してみなはれ。
しかも人によってはアレルギー反応を起こしたり、副作用が出る可能性もあります。
造影剤を入れた後、一晩は絶対禁酒。それ以外の制限は無いそうです。遊びに行こうが仕事に行こうが自由だよ。と言われましたが、造影剤の副作用は投与後1時間~7日間までは遅れて発生する可能性があるため、大事をとっておとなしく帰りました。
※造影剤は24時間でほぼ尿から排出されるので、検査後は水分を多めにとるべし。

◎軽食道心エコー
 これはかなり過酷
口からカメラを入れて(胃カメラみたいな)、食道の方から心臓弁の動きや形を見ます。あと体内に血栓が出来てないかもわかるらしい。なんで食道にカメラ入れてそんなことが分かるんだろうか謎です。
口に含むタイプの麻酔(苦い)のあと、スプレータイプの喉の奥に吹きかける麻酔(苦い)をします。
先生に喉に吹きかけてもらうんですが、思いっきり嘔吐えづいてしまったことある。先生の顔面の前で。その節はすみません。涙目の私の前で無邪気に「へーこれ苦いんだぁ」と言っていた研修医のことは忘れねぇからな。
 本番はこれから。麻酔が効いてきたら横になって、口が閉じないようなマウスピースみたいなん付けられます。で、これを入れますねってチューブ状のカメラを見せられるのですが「え、そんなの入らないよ」って思う。エロい意味じゃなく。胃カメラの1.4倍の太さがあるらしい。食道ってそんなに太いんですか。この検査辛くないっていう人に出会ったことないです。
私はPTSDがあるので、パニックの発作が起きないように点滴から眠くなる薬(鎮静剤)を入れてぼんやりさせてもらいました。その薬(鎮静剤)の副作用は『呼吸困難』だそうで、眠るとサチュレーションが下がってしまうので「寝たら危ない!」って起こされた。何のために眠くなる薬入れたのよ。結局しんどい。

◎心臓カテーテル検査

 これまでの検査は日帰り(外来診療時)で受けられますが、この検査だけは必ず入院が必要です。2泊3日くらいかな。カテーテルという細い管を血管に通し、心臓の状態を調べます。点滴からの局所麻酔。上記同様、私は鎮静剤も使ってもらってます。
 心臓のどの部分を見るかによって、管を通す場所が変わります。私は僧帽弁と三尖弁を見るために、右手首動脈からと、右鼠径部静脈から。動脈はものすごく痛い。そして場合によってはカテが血管を進んでいる感覚が分かります。苦痛。 検査中に「息を止めてください」など呼吸の指示があるので意識のある状態で行わなければならず、薬でうとうとしていても呼吸指示の際には起こされます。途中で造影剤も入る。感情が忙しい。このとき、造影剤のせいで身体が内側から熱くなるのですが、CTの時より量が多いのかな?お漏らししたみたいな感覚になります。これは経験した人にしか伝わらない感覚だと思うんですけど、同じように感じた人の話を結構聞いたのであるあるだと思う。実際は尿道カテーテルが入っているから漏らす心配はないんですけど。
 だいたい検査自体に1時間~1時間半くらいかかりますが、この後がまた大変。カテーテルを通した部分の皮膚が自然に塞がるのを待ちます。止血の確認がとれるまで、その部位は動かしてはいけません。鼠径部の場合寝返りも、検査したほうの足を曲げるのもダメ。加えて右手首もだったので(左腕には点滴)、ベッドの上で寝たままかすかに頭の向きを変えるのみ。このまま拘束状態が約5時間。しんどい。
 抗血液凝固剤を飲んでいるので、止血は手こずりました。(心臓の手術を受けなきゃいけない状態だと、飲んでいる人が多いと思う)もうやりたくないです。

ここまで来ると、入院日や手術日が決まってきます。

◎ウイルスの検査(ちゃんとした名前忘れた)
 入院の説明を受けたついでに、体内にウイルスがいないか、インフルエンザの検査の時のような細長い綿棒状のものを鼻から入れて調べます。そのあと手術で切る予定の胸部も綿棒状のもので撫でて、表皮に細菌がいないかなどを調べました。

そして最後に
◎歯科検診
 心臓の手術だけに限らず、全身麻酔を使う手術の前には歯科検診が必ず必要なんです。
『術後しばらく歯磨きできないかもしれないから?』ではなく『長く入院したらなかなか歯医者さん行けなくなるから?』でもなく
手術のとき、口から気管にチューブが挿管されます。口の中に炎症や酷い虫歯があると細菌が管を伝って体内に入ってしまい感染症を起こす可能性があることと、ぐらぐらしている歯があれば挿管時に折れてしまって誤飲を招く可能性があるからだそうです。その場合は折れそうな歯を予め抜歯をすることもあります。
 こわかったー。そもそも歯医者さん苦手だったし。歯の根元の状態を確認するために、綿密に何枚もレントゲン撮った結果、抜歯は免れました。虫歯はあるけど、術後の治療で構わないということで。

手術で全身麻酔を受ける患者に歯科受診が必要なのはなぜ?

https://kango-oshigoto.jp/hatenurse/article/1302/

 以上で手術前の検査は終了。あとは入院を待つのみです。お疲れ様でした。
この何れかで何か異常が見付かれば、それを解決するまで手術はできません。私の場合は途中で貧血状態(Hb8以下、Fe通常値の3分の1)になり、胃潰瘍の疑いで検便と内視鏡を検討されましたが、鉄剤の服用で改善。 ただの鉄欠乏性貧血でした。 (カテーテル後に生理が重なり、出血量に血の生産が追い付かなかっただけ)

 たかが検査と思うなかれ。いちいち同意書が必要だったり、その検査による合併症の発生率や死亡率だって説明をされるので、なかなか緊張感あります。体力も削られるし。
でもどれも必要な検査なので、うんざりしながらも頑張りましょう。
私は検査が進むにつれ、手術へ向けての心の準備が出来ました。



術後の状態や回復状況について書いてある記事もありますので、ご興味あれば目次からどうぞ。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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